PLCアダプタを使う

投稿者: | 2017年8月1日

住まいを引っ越すことになり、マンションを借りているのだが、今回のすみかは初めて「メゾネットタイプ」という部屋が2階に分かれているマンションになっている。構造としては、居間が上層階、私が主に、PCで作業する部屋が下層階となっている。上層階の居間にNTTの光回線の終端が来るのでそこから下層階の私の部屋までネット環境をどうやって持ってくるのかが今回の引越の大きな課題であった。
賃貸マンションなので、穴を開けてLANケーブルを通すことはNGだし、メゾネットタイプと言うことで、壁が厚い様だ。ピンが刺さらなかった壁がいくつかある。壁が厚いと言うことは、無線も怪しい。確認したところ、部屋の構造上2カ所以上中継させるか、隣の家を電波で通過させると行った荒技が必要だった。ただ、こんな方法は採れない…。途方に暮れるかと思いきや、今は便利な機器があると言うことを、それは「PLCアダプタ」である。

PLCは「Power Line Communications(=電力線通信)※」と言う意味で、コンセントを取る電源のラインで通信をするという仕掛けだ。上層階と下層階と分かれているのもののマンションとしては一部屋なので、同じ電力線配線されているはずである。この方法であれば、追加で配線もなく、きれいに通信することが可能である。マンションなので、家庭用のFlet’s回線であれば、せいぜい実行速度は数十MBpsなので、PLCでスループットが落ちると言うことがあってもごくわずかである。余り気にならない。

ちょっと前は高かったのだが、最近安価に手に入る製品が出てきた。
今回はTPLink AV600というスタータキットがあったのでこれを利用することにした。最近AmazonでTPLinkの製品をよく見るが、金属で作られているちゃんとしたスイッチングハブとかが安く出ているので、会社で使うものでも使っているが、結構いい感じである。

PLCアダプタの接続例

使い方は、マニュアルに従い、コンセントにPLCアダプタを指し、LANケーブルをつなぐ。上層階は光終端装置の後ろにある無線LANルータに、下層階は無線LANアクセスポイント(といっても上層階の無線LANルータと同一製品)とつなぐだけである。非常にあっけなくできてしまった。1ヶ月少したつが、何もトラブルが起こっていない。スピードテストをしても40MBps程度は出ているので、非常に便利に使えている。木造の一軒家だと、無線LANの電波の中継と言う選択肢もあるが、鉄筋コンクリート建てだとそうはいかないので、PLCは検討の余地がありそうだ。

スピードテスト結果

※PLCと言うと私の研究している分野である半導体設計の分野だと「programmable logic controller=(ステートマシン)」を指すことがあるので紛らわしい。

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